事業者と個人の契約トラブルについては、基本的にはトラブルによって被った物質的(金銭的)補償が行われたら、精神的損害も補填されたとみなすのが判例の主流です。
例えば、商品運搬時の破損や旅行契約の手配ミスなども、破損物や手配ミスに関して金銭的保証がされれば、それ以上の精神的損害の慰謝料請求は困難ということになります。
但し、そのような物質的賠償だけでは回復されない特別の事情(特別な精神的損害)があれば、慰謝料が認められるケースもあります。
以下に一般の契約トラブルに関して、慰謝料が認められるケースを例示します。
高額な対価を支払ったケース
土地や建物などの取引で、1,000万円以上の支払いをしているケースでは、物的損害の補償の他に、慰謝料を認めている判例が散見されます。
投機目的の売買ではないこと
投機対象として不動産や先物取引等の金融商品の取引をした事例では、慰謝料が認められる余地は少なくなります。
これは契約者の自己責任という面が強いためです。
慰謝料が認められる程の精神的損害を主張するには、契約内容に投機的動機が含まれないことが前提となります。
特定の時期でしか意味の無い契約であること
新婚旅行契約のように、そのタイミングで履行されなくては意味が無い契約は、手配ミスがあった場合は代替がきかず、精神的苦痛も大きくなると推定されます。
このような場合には精神的損害についての慰謝料が認められる可能性は高いといえます。
一定期間継続的にサービス提供をする契約
学習塾や老人ホーム等のように、一定期間継続的にサービスを利用しないとその評価ができない契約は、簡単に他の事業者との契約に乗り換えるのは困難であり、後戻りできない時間や労力を考慮して慰謝料が認められる余地があります。
以上のような要素を検討し、契約トラブルに関する損害賠償のとりきめを行うと良いでしょう。
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